【株式会社旭川システムサービス 清野敏行社長 】寄稿コラム 第1回 ~測量資料館編〜

株式会社旭川システムサービスは、北海道旭川市を拠点に測量機器の販売・修理・レンタルを手掛ける代理店です。創業者の清野敏行社長は、測量機一筋に約50年のキャリアを築いてこられました。

今回から3回にわたり、清野社長に寄稿していただいたコラムを掲載します。第1回のテーマは、清野社長が私財を投じて設立した「測量資料館」についてです。

時代を超えて受け継がれる、熱い技術者 魂に魅せられて。

測量の歴史は古く、これまでに製造されてきた測量機は当時の最新技術を取り入れたハイテク機器ばかりですが、一般の人に知られる機会はあまり多くありません。測量作業を見かけたことはあっても、実際に測量機を覗いてみたことがある人はほとんどいないでしょう。

そこで私は、旭川市内に各年代の測量機を集めた資料館を設立することを思い立ち、2015(平成27)年6月3日に「測量資料館」をオープンしました。

この資料館では、明治時代から現在までに製造された測量機、約600台を展示しています。その他にも、測量に使用する巻尺、計算機、製図用品、航空撮影用のカメラなど、測量に関係するものを数多く集めました。展示品には2級図化機やケルシュプロッターをはじめとする7台の図化機も含まれ、中でも写真から地図を作る1級図化機は重量が2トン近くにもなります。

古い測量機としては、明治時代に使用されたカールバンベルヒ社製の2級経緯儀、トンネル内で使用された鉱山用トランシットなど、貴重な機器の数々を展示しています。古い機器を処分してしまうのはもったいないとの思いから、不要な機器を譲り受けたり、時には購入したりして収集してきたものです。

測量の仕事に携わった人ならば、月刊「測量」という本を読んだことがあるでしょう。資料館には、1951(昭和26)年4月の創刊号から最新号まで、約66年分が全て揃っています。発行当時の測量技術や業界事情などを知ることができる貴重な資料です。

小型ながら非常に精密に作られた測量機の数々。一体どのような人が作ったのでしょうか。ぜひ一度、測量資料館に来て、静かに目を閉じてみてください。測量機の開発に携わってきた先人の熱い思いと技術者魂を感じることができるはずです。

 

写真説明:清野社長の左側に展示されたディスプレイ付きのコンピュータはヒユーレットパッカード社のHP-9845S。1979(昭和54)年頃に販売。当時【システム45】と呼ばれ、メモリが64KBと大容量。ディスプレイ・記憶媒体などが一体となり、自動製図機も動かしていた。その他にも清野社長の貴重なコレクションがずらりと並ぶ。清野社長の測量への熱い思いが感じられる。

 

株式会社旭川システムサービスと測量資料館

写真説明:株式会社旭川システムサービス(左)と測量資料館(右)社屋の2階の窓に注目。測量機会社のカラーをブラインドで表現。ここにも社長のこだわを感じる。赤のラインはPENTAX。

2018年10月19日